galleria!

川を見てゐた手だらうかうつすらと電車の窓にしろき跡あり

『世界で一番美しい樹皮図鑑』

『galley』は、紙で作った普通の、本らしい本だと思うのです。しかし、濱崎さんの装丁は、もっと型にはまっていなくて、奔放で、とても楽しいことを読者の皆さんにお伝えしたい。その証拠が、はい、これ。

 

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 『世界で一番美しい樹皮図鑑』(セドリック・ポレ著、國府方吾郎監修、南條郁子訳、創元社)。最近の私の愛読書です。大きさは33㎝×24.5㎝。上の写真は一部光が入っていますが、ここは、本物の山桜の、光沢のある樹皮が貼ってあり、光を反射するのです。秋田県・角館の伝統工芸品「樺細工」で使われている天然の樹皮だそうです。聞けば、現地に赴いて、角館工芸協同組合に協力を仰いだというのだから、すごい。さらに、

 

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背がはだか! 帯をなくして本棚に差したら、タイトルが分からなくなるというデンジャラスな設定です(なくしませんけど)。発売された当初は、本屋で平積みになっていて大いに目を引きました。最近本屋で見たところ、植物図鑑のコーナーに横向きに差されており、表紙が見えませんでした。これは平積みがいい!とはいえ本屋泣かせだな。こういう作りであるため、開きがとても良いです。巨木の大迫力の写真を見開きで、ぱっくりときれいに開いて見ることができます。

「樹皮図鑑」だからこそ成り立つ装丁ですね。本全体が樹皮っぽく仕上がっています。