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川を見てゐた手だらうかうつすらと電車の窓にしろき跡あり

装幀 覚え書き

「装幀放談」をテキストにしながら考えたことを記しておきます。

歌集作りを考えている方で、装幀に興味のある方のご参考になれば幸いです。

基本的に、装幀家と著者が連絡をとることはめったにないので、完成までは編集者とやりとりをします。編集者は、著者・装幀家・印刷会社など、関係各所をつなぎ束ねる、いわば歌集作りのディレクターです。要望は何でも編集者に、具体的に、遠慮せずにはっきりと伝えましょう。

・本の大きさ、形(判型) ・1ページあたり何首組か ・予算 ・部数 ・希望の装幀家(あれば。もちろん、人選は編集者にまかせてもいい) ・好みの書体 ・紙の色や質感 ・使ってほしい図柄、色など、デザインの要望があればそれも

以上の項目について歌集作りのはじめに具体的に答えられれば、前途は明るいでしょう。その中で、皆さんが気になるであろうデザインの要望について。私は、どちらかというと、装幀家の自由度を大きくしておきたい、という考えでした。というとなんだか偉そうですが、要は、ほぼまっさらな状態で作品を見ていただき、そこから生まれる、自分では思いもつかない歌集像に出会いたかったのです。本当にわくわくしていました。ですから、要望は最小限にとどめ、避けてほしいことを1、2点挙げるだけにしました(一つは、こういう紙は嫌だ、ということ。あとは・・・言った気もするのですが忘れました)。

デザインについて、どうしてもこうしてほしいというイメージが強くある著者は、編集者に、希望をありのままに伝えた方がいいです。が、編集者にせよ装幀家にせよ、プロの意見は、必ずや、本をより良くします。一見希望とずれているように思える意見が返ってきても、聞く耳は大きく広げておくことをおすすめします。何人ものプロが歌集作りに関わってくれている状況を、めいっぱい楽しむべし。

最後に、『galley』を作るにあたって支えになったプロの言葉を二つ。

「第二歌集は粛々と出すしかないんですよ」 by青磁社・永田淳さん

「galleyはあなたにしか使えない言葉ですね」 by装幀家・濱崎実幸さん

うーむ。これらの言葉がなければ、galleyは漂流船と化していたことでしょう。

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