galleria!

川を見てゐた手だらうかうつすらと電車の窓にしろき跡あり

装幀放談(6)最終回

(場所をバーに移して、話題もなんやかんやと移りました。濱崎さんの終電の時刻が近づき……)

澤村:濱崎さん、覚えていますか。私は忘れもしないんですけど、あの歌集のタイトルは濱崎さんのひとことで決めたんですよ。

濱崎:え? なんのこと?

澤村:いったんは「galley」で決めていたんですけど、打ち合わせの時にはまだ少し迷っていて。

永田:ああ、ありましたね。「葦に雨降る」とか。

西之原:短歌的な、抒情的な感じのタイトルもいくつか候補にあったよね。

澤村:ええ。それで、迷っているという話をしたら濱崎さんが、「どちらも魅力的だけど、galleyはあなたにしか使えない言葉ですね」とおっしゃったんですよ。

濱崎:そんなこと言ったかいな。全然覚えてない。

澤村:おっしゃったんですよ。その一言で決めました。これしかないと。その時、濱崎さんもう「ガレー船と言えばベン・ハーですね~」とか言いながらゲラの隅っこに何やらスケッチを始めているし。

濱崎:はははは。よいしょっと。行くか……。

永田:だいじょうぶですか。

濱崎:だいじょうぶだいじょうぶ。それじゃ……。

永田:ありがとうございました。

澤村:お気をつけて。ありがとうございました。

西之原:(微笑み)

 

(了)

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