galleria!

川を見てゐた手だらうかうつすらと電車の窓にしろき跡あり

装幀放談

装丁+展

大阪・長堀橋のペーパーボイス大阪(平和紙業株式会社に併設)で開催中の「装丁+プラス展 本に寄り添う 書皮と栞、装画たち」。28日午後2時までです。皆さま、ぜひ! オリジナル書皮(ブックカバー。20種類以上あって好きなデザインを選べる)や、栞のおみ…

「装丁 超える 本の常識」

時間がたってしまったのですが、先週日曜、6月22日付の朝日新聞の月刊文化プラス「装丁 超える 本の常識」という特集で、濱崎実幸さん(写真付き)、青磁社の永田淳さん、歌集『galley』が登場しました(たぶん、関西方面限定です。岐阜の実家に図書館で…

祝☆

歌集『galley』の装幀が、第48回造本装幀コンクール(主催:日本書籍出版協会、日本印刷産業連合会)の文部科学大臣賞に決まりました。発表はこちら↓ http://www.jfpi.or.jp/topics_images/tpc99_113.pdf 装幀の濱崎実幸さんは何度も入賞されていますが、…

装幀 覚え書き(続々)

装幀家について、このようなサイトもあるのですね。 日本図書設計家協会 http://www.tosho-sekkei.gr.jp/index.html 「装丁家作品ページ」で会員である装丁家さんたちの代表作が見られます。が、何より「ビータス」というウェブマガジンをしばし読みふけって…

装幀 覚え書き(続)

そうそう、肝心なことを書き忘れていました。今回の歌集作りを、なぜ青磁社にお願いしたのか。また、なぜ装幀を濱崎実幸さんにお願いしたのか。 青磁社を選んだ理由は2つあります。まず、自分の住んでいるところの近くで本作りをしてみたい、と思ったことが…

装幀 覚え書き

「装幀放談」をテキストにしながら考えたことを記しておきます。 歌集作りを考えている方で、装幀に興味のある方のご参考になれば幸いです。 基本的に、装幀家と著者が連絡をとることはめったにないので、完成までは編集者とやりとりをします。編集者は、著…

装幀放談(6)最終回

(場所をバーに移して、話題もなんやかんやと移りました。濱崎さんの終電の時刻が近づき……) 澤村:濱崎さん、覚えていますか。私は忘れもしないんですけど、あの歌集のタイトルは濱崎さんのひとことで決めたんですよ。 濱崎:え? なんのこと? 澤村:いっ…

装幀放談(5)

ながらくの休憩、失礼しました。放談再開です。一気に最終回へ。 (4人のテーブルはいい具合にほろ酔いになり……) 澤村:歌集の電子書籍化については、これからどうなっていくのか、興味深いところです。著者にとって、出版する形態の選択肢が増えるのは良…

装幀放談 (4)

少し間が空いてしまいました。「装幀放談」の続きです。 (お酒もだいぶすすみ、この辺りから話題があちらこちらにとびます) 永田:注目していらっしゃる装幀家は、どなたかありますか? 濱崎:あまり付き合いがないからそんなに思いつかないけど。あ、永田…

装幀放談(3)

澤村:字といえば、河野さんの『蟬声』の、タイトルの字の配置も好きです。黒くシンプルで。『母系』のタイトル部分と同じように、字はやはり、少しもり上がっていて、光沢があります。シンプルだけど、寂しい感じはしない。 濱崎:これはね。納得いってない…

装幀放談(2)

澤村:濱崎さんの装幀で私が一番感銘を受けたのは、河野裕子さんの歌集『母系』です。(実物を取り出す) 永田:お! どっちだ? 初版か2刷か? 澤村:え? 永田:初版と2刷で違うんですよ。(帯をめくって)ああ、これは初版だ。 濱崎:うん、やっぱり初…

装幀放談(1)

さて、このブログを開設するに至った本題に入りたいと思います。 濱崎実幸さんの装幀による『galley』を手にしたとき、著者としてというより、本に興味のある者として心が躍りました。まず、読者からも感想のあった「紙の感触」。「なんだこれは」という驚き…